2011年09月17日

本を読む。



むさぼり読んだ。

本をむさぼり読む以外、心の置きどころがなかった。

昨年は70冊近くの本を読んだ。

どの本も、正常な状態から遠い私には、びんびんに響いてきた。

心が震えた。

本から感化された小さな心の動きに、

容易く涙が浮かんだりするのは自分でも吃驚するほど。



同じ本でも、何も考えていない時と、「死」を意識した時では、

行間を読む理解度がまったく違う。



エッセイでも文学でも、特に瀬戸内寂聴さん、遠藤周作さんには救われた。

やはりお年を召した方の厚く深い言葉は、

それだけいろいろな経験をしているからこそのもの。



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『16週 あなたといた幸せな時間』  向井亜紀著


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『子宮会議』   洞口依子著


もちろんこの二冊の本も読んだ。

子宮がんを克服した女性たち。

私はがん前段階ではあるが、実際に発病してしまった彼女たちの気持ちが

よくわかるような気がしたし、人ごとではなかった。



プロレスラー高田延彦の奥さま・向井亜紀さんは、がん発症前はいたって健康体。

お酒も大好きで、そのお酒をずっと飲み続けたいからこそ、

健康管理もしっかりやって、定期的に健康診断も受けていた、

というところが私とそっくり同じ。


待望の赤ちゃんができた時の検査で、子宮頚がん、

しかも腺がん(主にウイルス18型が原因のもの)がわかった。

結果、赤ちゃんも子宮も失った彼女の悲しみは、

私の体と心を強く打ったし、彼女の強さに敬服する。


賛否両論あって世間を騒がせた代理母出産ではあったけど、

現在は、それで儲けたふたりのお子さんの育児に奮闘中。

この幸せが、彼女のその後の健康に良い影響を与えていると思われる。



洞口依子さんは、ご自身の体験から、

「ちゃんと子宮がん検診を受けよう!」と、得意のウクレレ演奏とドッキングさせて、

方々でお洒落な"子宮会議"を開催している素敵な女優さんだ。


昨夏、とあるカフェで開かれたこの集まりに私も出掛けた。

子宮頚がんということの方がフォーカスされているのか、と思いきや

客には結構男性も多く、それが彼女率いるウクレレunit『パイティティ』の

ファンも多い、ということが後でわかった。

このパイティティにすっかり魅了されてしまったのだが、

子宮頚がんが導いてくれた、また別の世界であった。



このイベントの後、洞口さんに話しかけて少しおしゃべり。

「今経過観察中なので、発症しないようストレスためず好きなことだけやってます。」

って言ったら、彼女が、

「私もストレスをためなければ、あそこまで(がんが)ひどくならなかったかもしれない。

 好きなことをやるのは絶対にいいですよ。がんばって下さいね。」と、

あの笑顔を返してくれ、私はすっかり舞い上がってしまった。

とてもかわいい人だった。

嬉しかった。





posted by luna at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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